投稿

21日は二一会の日

イメージ
今から50年ほど前のオイルショックの時に発足無尽会の通称です。 当時、共同仕入れを目的に甲府の小規模印刷会社が集まった会で毎月21日に開催していました。 一社200万を目指して無尽金を積み立てました。15社ほどのメンバーだったので、満額三千万ほどになる目論みでした。 融資の利息と会費の積み立てで、年一回の旅行が楽しみでした。 当時は私の父親が参加、そして私と二代続きました。 最初は15社でしたが、景気の衰退や、高年齢化で徐々に減っていき、4社までに成ってしまいました。 そして、懇意にしていた1社が亡くなり3社となったところで幕引きをしました。 それが2021年(令和3年)です。 そして、先日最後の会長だった方が亡くなりました、21会という会はありませんでしたが、花を送り最後のお別れでした。 二一会の歴史は甲府の小さな印刷会社で活版からオフセット、活字からDTPへの変革の歴史でもありました。 二一会の歴史などについては、折を見てアップしたいと思います。 写真は左から→薬袋印刷、?、大柴印刷、中西印刷、三枝印刷、大宣堂印刷 感謝の心を込めて・・・ 伊東祐三(山梨県 樋口印刷内) JR1GDY Good HAM Life jr1gdy

一つの時代の終焉

イメージ
思い出せば、1970年の後半 オフセット印刷が最盛期で、新聞チラシの印刷で毎日忙しい毎日を送っていた。 地域の10000枚以下のチラシはHAMADAという印刷機で印刷していたが、そのうち50,000枚、100,000枚 それも両面で・・・となるともう少し大きな印刷機が必要となる。 菊半サイズのドミナントを購入して印刷刷る、しかし、カラー印刷となるとどうしても色ズレが発生して、思ったような品質の印刷物が上がらない そこで、当時2000万くらい、国産機の倍のハイデルベルグMO機を購入した。(1983年) 活版KSBを出してナンバーも印刷出来る菊半サイズのMO機だった。 支払は手形払いだ、毎月35万近くの手形を月末に落とすには大変な事だった。でも、稼働率が上がって5年で返済できた。 スーパーのチラシで毎週2回 MOの出番、そしてナンバー入りの伝票 企業様の納品伝、白伝、領収証、市場の伝票など、数え切れないほどの仕事でMOは大活躍した。 ドラックストアは13万枚両面、農協のコープのチラシ、地域のチェーン店のチラシなど、そうなると2色両面のMOZの購入、それと同時に新社屋の建築で、当時は活況をせいした。 そんな時代も2000年に入ると陰りを見せ、2010年には低迷し始めた。 ネットプリントの台頭、オンデマンド印刷に移行しつつあった。 時代はペーパーレスであり、広告はウエブに以降、金額のやり取りは振込になり領収書の出番はなくなった。 そんな訳で、2024年9月 ハイデルMO機は業者に引き取らせた40万円であった。 MO機のトータルカウンターは59,068,881枚で大凡約7000万枚、@2円で通しても1億4000万円、実際は2億円くらい稼いでくれた計算だ。 MOZ両面機が入ってきて稼働率が下がったとしても結構稼いでくれた、有り難い まぁ、そんなよき時代も終焉を迎え一つの時代が終わりを告げる そして新たな時代の幕開け・・・となるか? 感謝の心を込めて・・・ 伊東祐三(山梨県 樋口印刷内) JR1GDY Good HAM Life jr1gdy

Net返信はがき Reply Web System

イメージ
10月より郵便代が大幅に値上がりします。 同級会やパーティー案内の出欠を往復葉書ですると、最近の郵便事情で「遅い」「高い」 まぁ、これをネットですると大変便利で「早い」「安い」 そんなわけで、先日、同級会の案内葉書の注文が来たので、Net返信のウエブサイトを作ってみました。 デバックもソコソコに稼働試験です こんなシンプルで味も素っ気も無いフォームになってしまいました・・・ しかし、学生番号順にデーターベース化してあり機能満載となっています。 一寸時代先取り感がありますが、ネットがライフライン化している現在、必要かも知れません もっと頭の良い方が、誰でも使えるサイトを立ち上げてくれれば良いのですが・・・ 感謝の心を込めて・・・ 伊東祐三(山梨県 樋口印刷内) JR1GDY Good HAM Life jr1gdy

少なくなった印刷物を何とかしたい

イメージ
領収証の印刷注文が来た。 3枚複写で10冊である。少数だ。 オフセット印刷機を回すと一台4K、3枚複写なので印刷代だけでも12Kになってしまい、それに用紙代と製本代、刷版代を加算すると30,000円を超えてしまう。 クライアントに見積もりを出すにも申し訳なく思ってしまう そこで POD(Print  On Demand)印刷となる。 複写紙などは熱に弱いので熱の低いPODを使う、また、薄い用紙なので紙の目も印刷方向に合わさないとジャムが発生してしまう。 そんな、こんなを何とかクリアして印刷する。 領収証なのでナンバーリングが必須なので、その対応もしないといけない 50綴りで10冊なので500セット、印刷用紙はA3に4面付け、 だから、125枚印刷刷れば良いわけだが、50枚綴りなので150枚印刷刷る方が製本がしやすい。 150枚x4面付け=600セットできてしまうので100セットは廃棄するか納品するかのどちらかになる。 それでは、印刷用の版はどんな風に作るかというと 4面付けで作り、ナンバーを振っていくのだ 1〜150までの面 151〜300 301〜450  451〜600 取り上げず、領収証の版に番号を流し込んでいく、150ページが出来る計算。 PODで150ページを3回印刷すれば3枚複写が印刷出来る筈 まぁ、この作業を自動化すればミスなく簡単に安く出来上がる そこで 社内でソフトを組んでみた。昔、ネット用に組んでいたモノを自分のPCで動くように改良したので、サクサクと動いて微調整も簡単になった。 ↑ ナンバーの後に文字を入れてみました。ばっB号も4桁にしてみました 用意する物 ナンバーの位置を指定したCSV 領収書の画像PDF コマンド MakeNumb2 -c xxxx.csv -p yyyy.pdf これで150ページのPDFが作られる あとは、これをプリントするだけ、150x3=450枚 @10円でプリントしても4500円だ。 12,000が4500円になるのでかなりの節約になる。 まぁデメリットとしては、 ・見当精度が悪い ・用紙が波うって製本しにくい 従来のオフセットか?、PODか? 相談の上、決めている。

本物の価値とスキャナ

イメージ
Fuji ImagePOP 長らく暗室兼用の倉庫に保管しておいた20年前のスキャナ(2001年製)を設置しました。 時々依頼が来たときに電源を入れて使っていた物です。 それを日の当たる場所に出しました。 このスキャナはカラープリントは勿論ですが、本領発揮は2400dpiで線画印刷物をスキャンするには最適でした。 伝票や新聞、雑誌などハーフトーンの無い印刷物をデジタル化するには向いています。 また、ポジ製版フルムを2値でスキャンしたり、大きなポスターを分割してスキャンしたりもしました。 Image POP』は、Super Linear CCDを搭載した普及型のフラットベッドカラースキャナー。 色変換技術では、“ファジー・オートセットアップ機能”を装備した画像処理ソフト『FCIP21 Light』により、 ハイエンドモデルでの高度なマニュアル操作と同等なセットアップを、簡単操作で行なえるとしている。 最大スキャンサイズはA3ワイド(340x450mm)、最大解像度は2743dpi/762dpi。 A3トンボまでOK 最近はめっきりと減ったスキャン作業、時々入稿するプリントも事務用の簡易スキャナーで充分でした それは、色補正ソフトの発達で遜色ないカラー分解が出来るように成ったからです。 そして、最終の印刷はPOD(プリントオンデマンド)などになったので、相性が良かったからです。 しかし、やはり専用のスキャナには、精度、キレの良さには叶いません。 そこで、正月休みを利用して、設置とメンテナンスしました。 キャリブレーションには15分ほどかかりました。操作方法は思い出しながら、マニュアル参考に、写真プリント、リバーサル、印刷物と3種類に分けてスキャンし、カラープロファイルの設定をしました。 精度が良いので写真面についた埃や汚れなども拾ってくれちゃいます。自動でゴミ検知などあれば良いのですが、20年前のスキャナですので仕方ありません。 スキャンする手順としては、 スキャンする物(写真)の汚れを綺麗に 写真をセットする オーバービューでスキャンする場所を指示  プロファイル、出力サイズ、  フォーマット(jpg,eps,tiff)、  画像形式(RGB  CMYK) スキャンしますと予め決められたホルダーに出力されます(Direct出力) その後、セットアップエディターが起動し(

自作 トムソン刃型

イメージ
カードに名刺を挟む切り込みを入れる刃型を作ってみました。 切刃を型に嵌めるだけの簡単な型ですが、斜めに入れるので型を作る必要があります。 そこで、板に糸鋸で20mmと15mmの切り込みを入れ、そこに切刃を差し込みます。 簡単そうですがチョットした事が必要です。 切刃の厚みは0.7mmですので、切り込みも0.7mmでなければ切刃のセットが出来ません、専門業者から仕入れました。マキタの糸のこ盤にセットし切りましたが、最初はまっすぐに切れません。数回チャレンジしなんとかまっすぐに切れ込みを入れました。 たったこれだけの簡単な作業ですが、最初にしてはうまく出来ました さて、この刃型を使って5000枚ほどのカードに切れ込みを入れます。 カードの方は少し厚めの用紙を使ってフルカラーで印刷中です。 ジュエリー関係のクライアント様です。 挟み込むのは名刺?カード?良く分かりませんが売れると良いですね。 私たち印刷屋はそんなクライアント様のお手伝いです。 感謝の心を込めて・・・ 伊東祐三(山梨県 樋口印刷内) JR1GDY Good HAM Life jr1gdy

水を制する者は印刷を制する

イメージ
唯の水、されど重要な水 今回はオフセット印刷で使う「湿し水」の話しです。 オフセット印刷は水とインキで印刷します。 刷版はアルミがベースのPS、またはポリエチレン主成分のシルバーマスターなどです。 当然PSの方が高品質です。 インキはメーカーから仕入れますのでそんなに差違はありませんが、 湿し水と呼ばれる水は、ほぼ水道水になります。 その水道水に添加物(界面活性剤、安定剤、pH調整剤)などを混ぜて使用します。 ここ、30年くらいは経験値に基づいて湿し水を作っていました。 最近、印刷機の稼働率が下がってきまして、仕事が少なくなったと同時にデジタル印刷機(所謂プリンターという印刷機)になりつつあります。 印刷オペレーターも高齢化が進み現場から離れていきます。 そんな中で当社も専門オペレーターが退社後、私が引き継いで印刷機を回しています。 まぁ、昔取った杵柄・・・・ってヤツです。 引き継ぎで何も考えずに機械を回していました。まぁ、こんなものだろう・・・って感じで どうせ、暇だし、少し印刷機の事を勉強してみようかと思い、それなら「湿し水」のことを調べ始めました 当社の印刷機の湿し水は「昔ながらの給水方式、3〜5リットルのタンクから水舟に落とす方式です。~ 自動給水なら、温度やpH管理などをやってくれます。 まず、自社の印刷機の湿し水のpHを計ってみました。 シルバーマスター用の湿し水はpH7以上でした。ビックリしました。 印刷汚れが出る筈です 適正値は5〜6です。中間値5.5 pH計測用 標準試薬 添加剤を再検討しましたSLM-OA2(pH8〜9)をOA1(pH3.5〜4.5)に変更、更にSLM-ODNを追加で添加。 しかしpHは6.5位でなかなか下がらず、このためOD50(pH3.5〜4.5)を添加することにした。 水3000ccにOD50を15cc(キャップ半分+)、約0.5%で見事にpHが5.3まで落ちました。 この湿し水でテストをか兼ねチラシを印刷、5000枚通し、インキはFG52の草色です。 この草色(グリーン)は濃度均一に印刷するのがちょっと難しい。しかし簡単にインキの調整が完了し濃度が上がったのにはおどろいた。 今までは、インキの濃度を上げると汚れが出る→水量を上げる→印刷インキが水負けし印刷濃度が下がる 今回は適正なpHにすることで水量は絞れる→印刷濃度が上